トクン、トクン、トクン。

心臓が高く早く跳ねる。


嬉しくて?


違う。嬉しくてドキドキするのはこんなんじゃない。

だったらこれは何?


わからない。

わからないけど、どうしてかリクの顔を真っ直ぐ見ていられなくて。


「あ、ありがと」


リクにお礼を告げると……


「どういたしまし……って、小春~っ?」


ダッシュでリクの前から走り去った。