桜涙 ~キミとの約束~



──午後の部が始まった。

色別で行われる応援合戦はとのチームもパワフルなパフォーマンスを披露し、盛り上がりを見せた。

その熱気が冷めぬうちに始まったのは借り物競争だ。

これまた生徒が楽しめる種目とあって、注目度はかなり高く、生徒たちの雰囲気も楽しそうで。

色々なものを手に走り回る走者を見て、私も楽しんでいた……んだけど。


「……小春」

「ん?」


よっちんに呼ばれて返事をしながら彼女を見れば、よっちんは「あそこ」と指を差す。

その指の先を追って視線を動かすと、そこには……


「……リクだ」


次の走者の中に、リクの姿があった。