桜涙 ~キミとの約束~



「朝、父さんからもらったんだ。差し入れだって」

「わぁっ! 嬉しいっ」


思わぬサプライズに私は歓喜の声を上げた。


「双葉さんも一緒にどうぞ」


奏ちゃんがニッコリと笑みを浮かべてよっちんにも勧める。


「ありがとうございます」


よっちんがお礼を言って、私がカップケーキを受け取ると、柔らかく微笑んでいた奏ちゃんの顔が少し心配そうに眉間にシワを寄せた。


「小春、体調は?」


奏ちゃんに問われて私は微笑んで答える。


「うん、もう大丈夫」