私とリクが小学校四年、奏ちゃんは五年生の夏のある日。
リクの提案で、私たちは学校から少し離れた所にある市民の森と呼ばれている森林公園に冒険へと出かけた。
レクリエーションや野外活動の場として使用されている森は広く、アスレチックもあり、男の子達には人気の遊び場所だった。
そこで私たちはかくれんぼをしてた。
鬼はリクで、私と奏ちゃんは二人で隠れる場所を探していた時──
『う、わあああぁぁっ!』
『奏ちゃんっ』
奏ちゃんが急斜面を転げ落ち、足を切って怪我をしてしまった。
血がドクドクと流れていてその光景はすごく怖いもので。
だけど、痛い痛いと泣く奏ちゃんを見ていたら子供心ながらに励ましてあげなくちゃと思って……
『奏ちゃん、大丈夫だよ。小春のパワーを分けてあげる』
笑顔で励ましたんだ。
そしたら奏ちゃんが頷いて。
そこにリクが現れて、リクは自分より少し大きい奏ちゃんをおぶると大人のいる所まで運んだ。



