静かに降る薄紅の桜雪。


ふいに、リクとは反対側の隣に、もうひとりの幼なじみが立っているような気がして。


「ありがとう」


そっと呟けば、柔らかな風が吹き、桜の雨が降り注ぐ。


「小春」


リクが、私の名前を呼んで。


「また来年も、ここに来ような」


頷き、微笑み合う。




多くの想いと共に



私は今日も、生きている。



明日も、その先も。



君のくれた、泣きたくなる程の優しさに溢れた未来を





愛する人と一緒に。










~ fin ~