最初に感じたのは音だった。
ピッピッという聞きなれたモニターの電信音。
次いで、女の人の声。
「先生。佐倉さん、意識回復しました」
ぼんやりとした思考で聞いていると、大塚先生が私の名前を呼ぶ。
「小春ちゃん、聞こえてるかな?」
私は、小さく頷いてみせた。
そして、重たいまぶたを開くと、もやのかかったような世界に先生の姿を見つける。
先生は優しく微笑んで。
「手術は成功したよ」
嬉しい報告をくれた。
その途端。
「……っ……」
瞳が熱くなる。
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