「ごめんね、変に勘ぐって」 「……こっちこそ、ごめん」 リクが困ったように笑ったその時── 病室にノックの音が響いて、次いで扉が開くと。 「小春ちゃん」 大塚先生が、穏やかな声で私の名前を口にして…… 「ドナーが見つかったよ」 訪れた奇跡に震える私の手を 強く強く、しっかりと握ってくれたリクの瞳は 涙で濡れていた。