桜涙 ~キミとの約束~



「発作的なものなの。ずっと病室にいると、色々と考えちゃって。ダメだよね~」

「そっか……そうだよな」


小さな声で納得したリク。

その表情は僅かに曇っている。


「小春は、ダメじゃないよ。本当にダメなのは……」


そこまで言って、リクは口を閉ざした。

瞳には私を映しているけれど、心はどこか別のところにある感じで……


「……リク? 何か、あった?」


心配になり、声をかけた。

でもリクは首を振って。


「オレは大丈夫。それよりも、お前」


リクはベッドに腰掛けると、私の手をとり……


「ごめんな、小春」


謝った。