よっちんはお弁当箱を片付けていた手を止め、切れ長の瞳が一度だけ瞬かせると、落ち着きを纏った綺麗な声を出した。 「何かあった?」 「次の授業で使う辞書、家に忘れてきちゃった……」 「それはご愁傷様だね」 相変わらずクールな返事をありがとう、よっちん。