「──る! ダメ!」 女の人が叫ぶ声がして。 直後、耳をつんざくようなブレーキの音。 何が起きたのかわからず、でも、何かが起こったのは確実で。 視線を動かし、辺りの様子を確認する。 そして……オレが見たものは。 さっきまで、バス停のベンチに座っていたはずの奏チャンが。 「……なんだ、コレ」 でっかいトラックの下で 倒れていた。