病室にあるテレビの向こうには、バレンタイン特集が映し出されている。

2月14日まであと1週間。

バレンタインにチョコをあげるのかというインタビューに答える女の子たちは、皆どこか楽しそうだ。

そして、それを見ている私は相変わらずベッドの上。

今日も咳と少しの息苦しさがあり、お世辞にも体調がいいとは言えないので、安静にしているように言われている。

でも……


「せめて外出だけでもできないかなぁ」


少し背あげされた状態で横になりながら零すと、いつものようにバイト後からお見舞いに来てくれているリクが目を細めた。


「もしかして、バレンタイン?」

「どうしてわかったの?」

「そりゃ、一緒にテレビ見てるこの流れならね」


クスっと笑ってリクは再び口を開く。