桜涙 ~キミとの約束~



「それ、その袋……」


声にすると、奏ちゃんが頷いた。


「そう。小春の家に寄って、おばさんから預かってきたんだ」


やっぱり、私のだった。

それは、クリスマスパーティーで行われるプレゼント交換用の買った品物が入っている袋。

でも、どうしてそれを奏ちゃんが?

お母さんから預かったって?


頭に疑問ばかりが浮かんでいく中、奏ちゃんは紙袋から箱を取り出した。


「で、こっちが父さん特製クリスマスケーキ」


言いながら、足元にあるベッドテーブルに美味しそうなケーキを置いた奏ちゃん。

その横で、自分の鞄から紙皿やフォークを引っ張り出したリク。

それらをベッドテーブルに並べて、再び鞄に手を突っ込むと、今度は厚紙で出来た派手な配色の三角帽子を出した。

三人分組み立てて、ひとつを私の頭の上に乗せて。

満足そうに笑んだリクが口を開く。


「という事で小春。今年も三人でクリスマスパーティーだ」