「……ホント、小春はいつだって、そうやってオレをすくい上げてくれるよな」
優しい声で、微笑んだリク。
「このまま一緒にいたら、小春の事好きすぎてどうにかなりそうだ」
「えっ!?」
甘いリクの言葉に動揺を隠しきれずにいると、リクが楽しそうに笑う。
「ハハッ、また顔が真っ赤」
「もうっ!」
「ごめんごめん」
何だか、さっきからずっとリクのペースに巻き込まれてる気がする。
ううん、リクのペースに巻き込まれるのは昔からある事だったけど、恋人という甘さが加わっているせいで、どうしていいかわからない。
前みたいに上手にかわすことが出来ないなぁ……なんて考えていたら。
「なぁ、それ、ネックレスつけてくれてるんだな」
リクが私の首元で光っている桜のネックレスを見て言った。
「うん、もちろん」と答えた私は、昨日の会話を思い出した。
「そういえば、百瀬さんってお姉さんがいるんだね」
「あー、まあ、姉ちゃんって言うか、元兄ちゃんっていうか?」
──え。
それは、もしかしてもしかすると。



