桜涙 ~キミとの約束~



「嘘だな。だって、鼻の頭赤いし」

「こ、これは寒いからだよ」

「電話切ってからの時間考えても早いよ」

「う……」

「そんなにオレに会いたかった?」


冗談めかしたように言って笑ったリク。


……違う。

めかしたんじゃなくて、本当に冗談なんだ。


「ダメだよリク。もう、冗談でもそんな事言っちゃ」


悲しみを隠してたしなめると、リクが困ったように笑んだ。


「……それって、オレに百瀬のことが絡んでるから?」


いきなり始まった確信にせまる会話に、私は言葉を詰まらせてしまう。