靴を脱ぎ、ふわふわの玄関マットに足を乗せた丁度その時。


「あっ、りっくんと小春ねーねだ」


リビングから、今年で七歳になる奏ちゃんの妹、心美(ここみ)ちゃんが出てきた。

彼女は少し高めのツインテールを弾ませながら、人懐こい笑顔で「こんにちはー」と挨拶してくれる。

私とリクが挨拶を返すと、心美ちゃんは奏ちゃんにまとわりつきはしゃぐ。


「おにーちゃん、ココね、算数のテストで80点取れたんだよ!」

「そっか。よく頑張ったな」

「うんっ」


奏ちゃんが心美ちゃんの頭を撫でると、心美ちゃんは心地よさそうにしながら笑顔を浮かべた。