桜涙 ~キミとの約束~



頬を緩ませた私を見て、奏ちゃんは柔らかく笑むと、相変わらず弱く降る雪を眺める。


「本格的に降る前に帰ろうか」

「そうだね」


同意すると、奏ちゃんが「行こう」と踵を返し私に背を向けた。

直後、風が吹いて、雪が踊る。


花びらが、舞うように。


──その、瞬間。


「……っ?」


頭の中に、映像が浮かんだ。