「でもね、もしも奏ちゃんの中で何かが終わっていたり、終わらせたいと願ってるのなら……許せないままでもいい。迷惑じゃなかったら……また、一からやり直そう?」

「やり直すって……」


戸惑うように私を見つめる奏ちゃんに、手を伸ばす。


「初めまして。私は、小春。佐倉小春です」


本当の初めましてではない。

そんなのはわかってるけど……


壊れてしまうなら、終わってしまうというのなら。


「今日からまた、よろしくね」


やり直せばいいんだ。

生ある限り、望む限り、何度でも。


からまった糸を緩め


ほどいて


結ぶように。