「陸斗を好きになる? そんなのは許さない。……耐えられるわけがない」


泣きそうな声で切言され、胸が苦しくなる。

呼吸さえも忘れてしまいそうなくらいに。


それから私たちの間に言葉はなく……


やがて、奏ちゃんは私から手を離すと、静かに教室を去っていった。


校庭からわずかに聞こえる生徒たちの声。

それを耳にしながらも私は


ドアに背を預けたまま



しばらく動けずにいた。