「陸斗ボッチャマにご奉仕」
……完全に的中だった。
「残念。私は梢ちゃんのみの専属メイドさんです」
「……そうきたか。じゃあ、オレは奏チャンの専属執事にでも──」
「丁重にお断りするよ」
笑顔でピシャリと断る奏ちゃん。
リクは「ひどい幼なじみたちだ」なんて声にしたけど、もちろん冗談の流れだから特に傷ついた様子もない。
私と梢ちゃんがクスクス笑っていると、奏ちゃんが話しかけてくる。
「僕もあとで小春のクラスに売上貢献に行くよ」
「ありがとう奏ちゃん」
お礼を言うと、奏ちゃんは優しく微笑んでから何かあれば連絡してと言い残して見回りに戻っていった。
「んじゃ、オレもクラスに戻るかな」
「うん。本当にありがとう」
「いいって。それに言ったろ? 小春を守るために……って」
だからいつでも呼んで。
スーパーマンみたい空飛んで行くから。
茶目っ気たっぷりに言って、リクもまた廊下の向こうへと去っていった。



