桜涙 ~キミとの約束~



「よっ、よろしくです」


ちょっと頬を染めてリクの手を取った。

そうして軽く握手を交わし終わると、リクの笑みが私に向く。


「梢ちゃんもオレの仲間みたいだな」

「仲間?」

「今言ってたじゃん。小春のメイド服が見"隊"。あ、梢ちゃんが隊長やる? オレは面倒なの好きじゃないから平隊員でいいよ」


リクのジョークに梢ちゃんが「そっちの"隊"ね。任せて」と話を合わせて笑う。


「ね、小春ちゃんのクラスの喫茶店行ってもいい?」

「もちろん! もうすぐ休憩になると思うから、校内を案内するね」

「ありがとう、私の可愛いメイドさん」

「梢お嬢様にご奉仕いたしま~す」


梢ちゃんのノリに合わせておどけてみせる。

すると、梢ちゃんは楽しそうな声で笑った。

やっぱり梢ちゃんといると元気になれる。

そんな風に思っていたら、リクが私の前に身を乗り出した。


「小春、オレもオレも」

「何が?」


何となく予想はつきつつも聞くと、リクはヘラっと微笑む。