桜涙 ~キミとの約束~



「先生にさ、小春ちゃんのメイド服姿が見たいから頼みますっ! って言って許可もらったんだ」


……いきなりメイド服姿とか言われた先生は困惑しただろうなぁ。


「今も体は大丈夫?」

「大丈夫。心配してくれてありがとね」


そう言って、梢ちゃんははにかんだ。

すると、私たちのやり取りを見守っていたリクが、首を傾げて聞いてくる。


「トモダチ?」


そうだ。

リクは会った事ないんだった。

そういえば、奏ちゃんの事もちゃんと紹介できてなかった事を思い出した私は、まずは梢ちゃんを私の幼なじみ二人に紹介する。


「紹介するね。入院中に仲良くなった梢ちゃん。奏ちゃんは一度会ってるよね」

「ああ、小春の病室で会ったね。改めてまして、僕は小春の幼なじみの柏木奏一郎。よろしく」


奏ちゃんが爽やかな笑顔で梢ちゃんに挨拶する。

私が紹介しなくてもちゃんと自分からしてくれるなんて、さすがしっかり者の奏ちゃん。

なんて関心していると、続いてリクが人懐こいキュートな笑みを浮かべ……


「オレも小春の幼なじみやってる本庄陸斗です。よろしくね、梢ちゃん」


梢ちゃんに向かって握手を求めた。

求められた梢ちゃんはというと。