桜涙 ~キミとの約束~



今日までに何度も感じる事のあった、幸せでいて切ない感覚に戸惑っていた時だった。


「いたいた! 小春ちゃーーんっ」


元気な、聞き覚えのある声に名前を呼ばれて私は辺りを見渡した。

リクと奏ちゃんも同様に首と視線を動かしていて。


「小春ちゃんっ」


もう一度名前を呼ばれた時、やっと私は相手を見つける事が出来た。


「梢ちゃん!?」


驚きと嬉しさに思わず大きな声を出してしまう。

数日前にしていた約束が、こうして叶えられるなんて。