私は、隣を歩く奏ちゃんの横顔を盗み見た。

小さな頃からトレードマークにもなってる彼の黒ブチメガネ。

その下には、小顔でくせのない端正な顔。

奏ちゃんは昔から男女問わずに人気がある。

頭がとてもいいのにそれを鼻にかけない穏やかな性格と、嫌味のない爽やかな笑顔。


「……奏ちゃんがみんなに好かれるの、わかるなぁ」


つい声に出すと、奏ちゃんは驚いたように目を丸くし、その頬を少し赤く染めた。


「い、いきなり何を……」


もごもごと口ごもる奏ちゃん。

照れた笑い顔も爽やかな雰囲気。