「はい、サイズオッケー。小春は当日、この番号の置いてある服を着てね」
「了解!」
女子の試着室としてあてられている視聴覚室で試着を無事に済ませた私は、教室に戻るべく廊下へと出た。
渡り廊下を歩いて、一年の教室がある校舎へと辿りついた時。
「──あ、小春」
バッタリ、リクと会った。
「丁度いいところに」
リクは私を見るなり明るい表情を見せたかと思うと、ちょっと付き合ってと言いながら私の腕を引っ張って歩き出す。
「ちょ、リク? どうしたの?」
「小春。オレを助けて」
「え……?」
突然の救助要請に私は意味がわからず首を傾げた。
そうしてリクに腕を引かれたまま辿りついた先は……
多目的室。
中には誰もいなくて、机や椅子がよけられたスペースに大きなダンボールと大きな模造紙が広げられていた。
その横にはペンキやらポスカやらが無造作に並んでいる。



