裏門にも姿を見せずに帰ってるなんて、どこから帰ってるんだろう。
なんて思っていたら、よっちんが「そういえば」と声を出した。
「本庄君に聞かれたから答えたんだけど……体育館裏」
突然場所を示されて、私と奏ちゃんは首を傾げる。
すると、よっちんは告げた。
「抜け道だったらそこが一番よって」
刹那、奏ちゃんの目が見開いて、もう一人の風紀委員の生徒に何かを話すと記録表が託される。
「いい情報をありがとう双葉さん」
「いえ、余計な事をしてごめんなさい」
「悪いのは陸斗だよ。じゃ、僕は抜け道をチェックしてくる」
「う、うん。頑張ってね」
「ああ、気を付けて帰るんだぞ!」
言い終えないうちに、奏ちゃんは体育館裏へと走っていった。
それを見送ってから再び歩き出した私とよっちん。
同じように帰宅する他の生徒の流れに乗るように校門を出た辺りで、よっちんが私を見た。



