『ねぇねぇ小春ちゃん。仲間、増えてもいいよね』
この頃から正義感を胸に秘めていたんだろう。
リクが私に同意を求めて、それにしっかりと頷き返したんだ。
『もちろん! 私は小春』
リクと二人だけの秘密基地でも十分楽しかったけど、仲間が増えるのはまた嬉しくて。
私は笑顔で奏ちゃんに自己紹介をした。
その時、ずっと困ったような顔をしていた奏ちゃんが、少しだけ表情を綻ばせて。
『ぼくは……奏一郎』
はにかむように名前を教えてくれた。
『そーいちろうくん、今日からよろしくね』
『う、うんっ』
こうして、私は奏ちゃんと友達になった。
奏ちゃんが私やリクよりも一個年上だと知ったのはそれからすぐのことだ。



