「奏チャンにはさ、出会った時に話してたんだ。ひとりぼっちだって泣いてた奏チャンには、不思議と話せた」 それはきっと、リクが奏チャンを秘密基地に連れてきた日の事。 無邪気でいられた幼い頃の話し。 「まあ、子供だったから、今したみたいに詳しくは話してないけどね」 言いながら立ち上がったリクは、窓を閉めてベッドに腰掛ける。 そして、そのまま話題を別のものに変え、お母さんの話に戻る事はなかった──‥