これに関してはリクの都合のいいようになってる気がしないでもないけど、真面目な奏ちゃんは了承したようだった。
ただし、喧嘩に加勢したりする事も私と同じく常日頃から心配していて、その件のお説教は度々あるんだけど。
「まったく陸斗ときたら、いつになったら僕の話をちゃんと聞いてくれるんだか……」
困り顔で溜め息を吐くと、奏ちゃんは「仕方ない。行こうか」と苦笑いを浮かべて歩き出した。
私は頷き、奏ちゃんの隣で彼のテンポに合わせるように靴音を鳴らす。
本当に、奏ちゃんとリクの鬼ごっこはいつまで続くんだろう。



