桜涙 ~キミとの約束~



「やっぱりそうだった。だから、陸斗はあんな反応したんだな」

「え?」


何の話かわからずに首を傾げると、奏ちゃんは教えてくれる。


「小春から検査結果のメールが来た翌日、陸斗に聞いたんだ。小春から僕に送られたのと同じメールは来たかって」


続く奏ちゃんの話しだと、リクはメールは来てないと答えたらしい。

それで最初、奏ちゃんは自分にしかメールが来てないのかと思ってリクに検査結果が出たと伝えたところ……

リクは急に、やっぱりもらったと告げた。


「小春は、僕より先に陸斗に連絡をしたんだろう? 僕じゃなくて、陸斗に」


責めるように声にして。

私は認める事もできず、何も言えないまま黙っていた。

奏ちゃんが、絞り出すように言葉を紡ぐ。


「どうして……陸斗なんだよ? 僕の方が出会ったのが遅かったから? 僕の方が早かったら、小春は誰よりも先に僕を頼ってくれたのか?」

「そんな……そんなつもりは──」


言いかけて、違和感に気付く。