習い事や塾でいつも忙しいよっちんが、時間を作ってお見舞いに来てくれたのがすごくすごく嬉しくて。
そして何より、信頼してる親友の姿に、病気の事で張り詰めていた心と涙腺が緩んで半べそをかいてしまったっけ。
よっちんは優しく目を細めて大丈夫だと言ってくれた。
私ならきっと、病気に勝てると。
よっちんが言ってくれると本当に勝てるような気がしてくるのは、彼女の勘の鋭さを知っているからだろう。
「早く退院出来るように頑張るね」
ガッツポーズを作って笑うと、奏ちゃんは頷いて微笑んだ。
それから、私と奏ちゃんは学校の話をとりとめもなくしていた。
入院の為に受けれなかった期末テストの話では、受けなくてすんでラッキーと思いつつも、いつかやって来る就職や受験で不利になったりしないかなと心配になる私。
それを声にして漏らせば、奏ちゃんが「なら、次は受けれるように早く退院しないとね」とクスクスと笑って。
穏やかに流れる時間に、ああ、奏ちゃんとのこんな空気感は久しぶりだなぁと和んでいたら。
──コンコン。
軽いノックの音がして。
誰だろうと首を傾げると、扉が開いて元気な声が耳に届く。



