死んでしまったら、私はどうなるんだろう。
きっともう、お父さんにもお母さんにも会えない。
よっちんにも奏ちゃんにも……
リクにも、会えない。
悲しい未来を想像して、私は膝を抱える腕に力を込めた。
リクに会えなくなる。
私の隣で、あったかい日だまりみたいな笑顔を向けてくれてたリクに、会えなくなる。
それはすごく寂しくて……
どうしようもないくらいに不安になった私は、すがるように携帯を手にしていた。
リクの声が聞きたい。
何を話したいとか、そんなのもまとまらないままにリクの番号をディスプレイに表示させて発信ボタンをタッチする。
携帯を耳にあてると無機質なコール音が聞こえて。
数度、繰り返された後に……
『……小春?』
私の名前を呼ぶ、リクの声が聞こえた。
それだけで、なんだか泣きたくなる。