「今日の午後だって言ってたよ」

「そっか。何もないといいね」


ニッコリと元気づけるような笑顔をくれた梢ちゃん。

私が「うん」と頷くと、梢ちゃんは「じゃあね、小春ちゃん」と明るい笑顔を残し、まだ少し咳き込みながら帰っていく。

何もないといい。

……彼女はきっと、何かあるから入院している子なんだろう。

辛いかもしれないのに頑張っているんだと思うと、明るく笑っていられる事を素直にすごいなと感心した。


梢ちゃんが早く退院出来ますように。


私は背中を暖める日差しを振り返り、祈っていた──‥