彼も、何かに押しつぶされそうになっていたんだろう。 だから、こらえきれずに泣いていた。 膝を抱えて、ひとりぼっちで。 少年の正体は……奏ちゃん。 なのに、どうしてか男の子が振り向く姿を想像すると…… リクの顔が思い浮かぶ。 瞳を寂しそうに細めた……リクの微笑みが。 ゆっくりと瞼を開けば、浮かんでいたリクの姿は見えなくなって。 「……リク……」 どうしてかな? 今とても リクに会いたい。