よほど情けない顔をしていたんだろう。
お母さんは困ったように笑いながら私の膝の辺りを掛け布団の上からポンポンと叩いて。
「そんな顔しないの。まだ決まったわけじゃないんだから」
いつものお母さんと変わらない態度で励ましてくれた。
「うん……そうだね」
微笑んではみたけど、不安はずっと胸に残ったままで。
お母さんが「また明日来るわね」と帰るのを見送り、就寝時間が来ても……私は眠る事が出来ずにいた。
見知らぬ天井を見つめ、嫌な未来を想像してしまう。
このまま、病院から出られなくなってしまうんじゃないか。
そんな不安に押しつぶされそうになって、私はきつく瞼を閉じる。
不意に、約束の少年の姿が脳裏に浮かんだ。



