──それからもしばらくはバタバタだった。
出ていた症状は病院の的確な処置で回復してきたものの、奏ちゃんが連絡してくれたらしく、私の両親が病院に駆けつけてくれて。
けれど落ち着くまもなく、両親は先生に呼ばれて検査結果を聞きに行った。
……どうして、この場でしてくれないのだろうと疑問に思って。
私はまだついていてくれてるリクと奏ちゃんを見た。
「……もしかして私、重い病気なのかな?」
患者は私だけしかいない大部屋で、酸素マスクをつけながら出した声は自分でも驚く程の弱々しい声。
先に声をかけてくれたのは奏ちゃんだ。
「そうとは限らないよ。今、小春は弱ってるから先に親が説明を受けてるだけかもしれない」
悪く考えちゃだめだ。
そう言って、奏ちゃんは優しく微笑む。
駅前で見せた奏ちゃんの面影は、どこにもない。
その事に安堵していると、奏ちゃんの隣でリクが頷く。