──気が付くと、リクの腕の中だった。


「小春っ、良かった。今、救急車呼んだから」


リクはそう言うと、腕の中で横たわる私の様子を心配そうに伺いながら、安心させるように微笑む。

息が、苦しい。

まるで呼吸の仕方を忘れてしまったかのようで、私は必死に息を整えようと努力する。

なんだか体もしびれてる。

私の体に、何が起きてるの?


苦しくて、苦しくて。

ギュッと瞼を閉じた瞬間、リクが奏ちゃんの名前を呼んだ気がした。

次いで、誰かの手が私の頭を撫でる。

その感覚にゆっくりと瞼を持ち上げれば……


心配そうな面持ちの奏ちゃんが、私の目に映った。