桜涙 ~キミとの約束~



「あ、荒れてるって?」

「喧嘩、参戦率が上がってるって」

「えっ」


どうしてそんな事にっ?

疑問に思ったらじっとしていられなくて。


「ちょっと、リクのところ行ってくる!」


私は勢い良く立ち上がると、登校してきた生徒により人の増えた教室を飛び出した。

廊下から隣りのクラスを覗き込み、リクの姿を探す。

けれど、リクはまだ登校していないのか、教室には姿がない。

仕方なく、教室のドアの横に立ってリクが登校してくるのを待った。


……よっちんは、リクが暗い顔してるって言ってた。

何かがあって、喧嘩の参戦率が上がったって事?

何が、あったの?


「……小春?」


聞き慣れたリクの声がして、知らず足元に落としていた視線を上げる。