桜涙 ~キミとの約束~



私は席に座ったリクに微笑みを向けた。


「おかえ──」


おかえり。
そう言って迎え入れようとした私の声は、「さっきの話だけど」という奏ちゃんの声で遮られてしまう。

一瞬ドキっとする。

リクには勝てないという話しの続きだと思ったからだ。

でも、違った。

奏ちゃんの話しとは……


「約束したのは、僕だよ」


どうやら、私が見た夢の事らしい。