リクは私と出会った頃から中学に上がる頃まで空手や柔道を習っていた。
強い男になりたいからと始めたらしいけど、その経験があるせいで中学の頃から不良グループの間で起きた喧嘩の助太刀を頼まれたりしていた。
断ればいいのに、へんなとこで正義感の強いリクは、友達がピンチだからと喧嘩してしまう。
「でも、友達を助けることはいいことだろ?」
「そうだけど……でも、心配だよ」
心から心配しているのだと言う気持ちを込めて言葉にすると、リクは困ったように柔らかく微笑んで。
「ごめん。なるべく気を付ける」
そう約束してくれた。
でも……多分また喧嘩するんだろう。
リクが言うなるべく、なんて言葉はあんまり信用できないから。



