「お父さま……どうして、どうして私たちを残して……」


 妹のティアラが姉の肩に頭をおき、服を濡らしています。

 思わず口に出た言葉は、嗚咽にさえぎられて途切れました。


「…っ……!」


 姉のローズは、妹を力一杯に抱きしめています。

 歯を食い縛って必死で堪えようとしてますが、涙は止まりません。

 堪え切れず引き結んだ口からは、嗚咽がこぼれ落ちました。


 二人の眼は赤く腫れ、黒い喪服に包んだ体は奮えています。

 金と銀の髪は艶をなくし、可愛らしい顔も涙でぐしゃぐしゃです。

 光り加減や感情によって変わる瞳は、二人とも悲しみのブルーで染まっておりました。