しかし、そんな幸福は長くは続きませんでした。

 二人が七才のとき、優しかった母が亡くなってしまったのです。


 世界にたった一人の母、最愛の妻がいなくなり、家の中は悲しみに満ちあふれました。

 特に父の落胆は凄まじく、料理も水ものどを通らない程でした。

 そんな父を見て、双子も落ち込み一緒にぽろぽろと涙を流す日々。

 その様子を見兼ねて、父の友人が父に再婚の話を持ちかけました。

 父は最初、再婚などしないと言い切っておりましたが、二人の娘のためにと言われて結婚を承諾したのです。