とても小さい女の子が、たった一人で綺麗で広い花畑にいました。

 笑顔が可愛らしい、お人形のような女の子です。

 その女の子は、銀色のワンピースが汚れることなど気にもせずに、地面に座り込んで花冠を作っている最中のようです。

 桃のような唇からは、小鳥のさえずりのような美しく、優しい歌声がもれています。


「何をしてるの?」


 そんな女の子に、一人の男の子が後ろから声をかけました。

 女の子よりも少し年上のようで薄い金色の髪と、これまた色の薄い翠(みどり)の瞳の男の子です。

 女の子が振り向くと、上等な服に身を包み優しいほほ笑みを浮かべている、そんな男の子が立っていたのでした。


「……え? ……あの、その……」


 知らない人だったので、女の子は桃色のほっぺをさらに赤くし、戸惑いながらうつむきました。

 その動作は優雅で愛らしく、ほほ笑ましい。

 そしてしばらくして女の子は顔を上げ、夜空に輝く星々の輝きような銀色の双眸で、男の子の翠色の瞳を見ました。

 恥ずかしがりなも、はっきりと男の子の顔を見て可愛らしくほほ笑んだのです。