―――――――――――
―――――――――
―――――――


―5月上旬。


入学式から早くも一ヶ月。この一ヶ月は物凄く早かった気がする。


「先輩、何ぼーっとしてるの?」


目の前で私と同じ花をスケッチしている秋君。


やっぱりイケメンは何をしていてもイケメンだ。


さまになってるなぁ…


秋君とキャンパス。
また違った魅力がある。



秋君とは二人で初めて出掛けたあの日から秋君がバイトの日以外ほぼ毎日送り迎えをしてくれている。


そしてほぼ毎日家に上がって一緒に夕飯を食べている。


一人でいる時間が減ったからか、時間が早く感じたな…


今までなら長くて苦しかった時間が、今では驚くくらい早く過ぎてしまう。




「先輩ー」

「…………………」



でも良いのかな…
私みたいな可愛いくもない女子が我が校の王子を独占なんかして…


「先輩!聞いてる?」



現に今だってさらし者状態だ。


外でスケッチしたのが間違いだったのかもしれない。


秋君が外に出た途端女の子に囲まれて…


「はぁ……」


ついついため息が出る。



遠くから刺すように私を睨みつける女の子達をどうにかしてほしい。