青色キャンバス

―秋side


「先輩……」


…眠ったのか。


腕の中で眠る小さな女を見つめる。


息苦しそうで呼吸が乱れている。


「ごめんねって…」


先輩のあの悲しげな顔が忘れられない。


今にも泣きそうで、壊れてしまいそうで…


でもあの言葉は俺に向けられたものじゃなかった気がする。


先輩は、俺じゃない誰かを…



「ねぇ先輩…。あれ、誰に言った言葉だったの?」


俺、先輩の事こんなに構ってんのに、なんで…


なんで先輩は、俺を見ないんだよ…