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12月13日。
私にとって、大きく運命が変わった日。



悲しくて、もう笑う事なんて出来ないって思ってた。
大切な人を失った日。


蛍ちゃんの、命日…………



私は一人、お墓参りに来ていた。



「蛍ちゃん、青空だね」


12月13日は雨が降る。
まるで、私の心を映したように。


なのに、今年は快晴だった。



「蛍ちゃんのくれた、あの青空みたい……」


蛍ちゃんの描いた青空が、目の前には広がっている。


「蛍ちゃん、私、ちゃんと幸せになるよ。蛍ちゃんが、私にしてくれたように、好きな人を大切にする」


誰よりも私を想ってくれたあなたに誓う。
私が幸せな姿を見せる事が、蛍ちゃんへの恩返しだから……




「良かった、雛ちゃんは、大切な誰かを見つけたのね」

「!!」


突然聞こえた声に振り返ると、そこには仏花を抱えた光子さんがいた。


「光子さん………あの時は、逃げ出したりしてすみませんでした!」


「いいの!頭を上げて?雛ちゃん!」


勢いよく頭を下げると、光子さんは私の肩に手を置き、顔をあげさせる。




「むしろ、謝りたかったのは私の方。蛍夜の事で、ずっと、苦しませてしまって………。ずっと、あなたの事が気がかりだったの」


「そんな、私はお葬式にも行かないで、逃げてしまってごめんなさい」


「あなたの辛さは、私の感じているものときっと同じだったわ。私は子を、そして、貴女は恋する人亡くしてしまったんですもの。私も、逃げてしまいたかった、あそこにいれば、私は蛍夜を失った事を認めなくちゃいけなくなってしまうから………」



あぁ、光子さんも同じだったんだ………
怖かった、事実を受け入れるのが。


だから、目をそらしたかったんだ………