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合宿も終えてついに8月へ入った。
あの日、海で思いを伝えあってから私と秋君の関係は大きく変わって、親友から恋人になった。



まさか、秋君が恋人になるなんて思ってもみなかった。


私は蛍ちゃんがこの世で一番大切だったし、他に誰かを好きになるだなんて思ってもみなかった。
私は、幸せになってはいけない、蛍ちゃんを殺したのは私で、罪を償っていかなくちゃいけないって思ってた。



なのに………
今は秋君を好きになってしまった。
傍にいられて幸せなのに、私は…………苦しい。



―後悔してる?

ううん、そうじゃない。
私は、秋君を好きになって嬉しかった。


後悔…じやなくて、わからないんだ。
私は、秋君を好きになっていいのかと…………



「……先輩、泣いてるの?」


その声に目を覚ます。
でも目を開けるのは少し恥ずかしかった。


泣いてるとこ、また見られちゃったな………

それがなんだか恥ずかしくて、目を閉じたままでいると、秋君は優しく目元を拭った。


「また、怖い夢でも見てるのか………?」


秋君は私が寝ていると思っているのか、誰に問うでもなく、独り言のように呟く。


昨日は秋君が家に泊まりに来て、一緒のベットで眠った。
秋君はこうして私の家に頻繁に泊まりに来てくれる。
おかげで、前のように夢にうなされる事も減った。


「先輩、泣いてばっかだよな……」


寝た振りなのだが、眠っていると思っている秋君は私の涙を拭いながら声をかけてくる。


……私、泣いてばっかりかな?



思い返せば確かに、私は秋君の前で泣いてばかりいたかもしれない。


心配……かけてるんだろうなぁ……