「でもびっくりです!!雛先輩絵画コンクールでも優勝する腕っ節なのに!!」

「腕っ節…」


菜緒ちゃん、私の年下だよね??


目の前の可愛いらしい後輩を見上げる。


「ん??どうしたんですか、先輩??」


菜緒ちゃんは不思議そうに顔を傾げている。


「う、ううん。なんでも…」


私は苦笑いを浮かべて菜緒ちゃんのデッサンを手にとる。


さて、どこから修正しようか…


私は下書き用の鉛筆で線を修正していく。


「わぁっ…見違えた!!」

「曲線は一番の見せ所なんだよ」

「へぇ〜」


菜緒ちゃんは感動したように声を上げる。


そんな後輩を可愛く思う。来年は卒業してしまうから、菜緒ちゃんに私の教えてあげられる事、全部教えてあげたい。