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「先輩、風邪ひいちゃうから、服着て」

「あ、そうだね」


はだけた服を直す。


やだな、私。
ほぼ裸状態で抱き締められて…



「…あ、先輩それ……」


「……??」



秋君は私の体を見て眉間に皺を寄せる。
すぐに右腕の火傷の痕だと気付いた。
火傷の痕を左手で隠す。



「これね、やっぱり目立つかな?」


汚い痕…
見るたびに嫌な記憶が蘇る。



あぁ……
今になって怖くなってきた………


亮さん、また来るのかな……?
どうして今になって現れるの……?



「あの人、私の義理の兄なの」

「…先輩まさかそれ……」



秋君、気付いたよね?
嫌だな、醜いよね………


「今じゃないの、ずっと前のだから。汚いよね…こんなのっ………」



あぁ…嫌…。泣きそう……


「先輩……なんで先輩ばっかり…。……先輩、先輩の事、これからは俺が守るよ。もう誰にも先輩の事傷つけさせないから」

「そんな、私なんか……」



私なんか守られる権利な……

「傷ついていい人間なんていないよ。先輩の事は俺が守る。先輩の許可なんかいらない、俺が勝手に守るから」


「秋君…………」




"守るから"
その言葉が、何故か泣きたくなるくらい嬉しかった。