―6月半ば。 とうとう梅雨がやってきた。 ―ザーッ 打ち付けるような雨があの日の記憶を鮮明に蘇らせる。 「…雨……………」 あの日、大切なものを失った。 雨なんか…… 雨なんかずっと降らなければいいのに… 私の大嫌いな季節。