青色キャンバス



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―全校遠足当日。


わらわらと駅前に生徒達が集まっていた。


秋君、大丈夫かなー…


秋君とは一つ前の駅で別れた。女の子達に一緒にいる所を見られないようにする為だ。


『先輩が標的なったりしたら一緒にいられなくなっちゃうじゃん』なんて言ってたけど…


今まで私と一緒に帰るのも色々苦労してたんだろうなぁ…



「雛先ぱーーい!!」


解散を出ると菜緒ちゃんが向こうから走ってくるのが見えた。


全校遠足だから菜緒ちゃんもいるんだ。
なんか新鮮。


「先輩!!一緒に回りましょうね!!」


菜緒ちゃんは私の手を掴んで上下に振る。


「でも、菜緒ちゃんクラスの友達は?」


私なんかの為に気を使ってるんじゃ…


私は一人でも平気だけど、私といる事で菜緒ちゃんまで一人になったら…


「何言ってるんですか!!今日の博物館、美術展も中で開いてるらしいんですよ!先輩と行った方が絶対楽しいに決まってるじゃないですか!!」


美術展……
全校遠足なんてどうでも良かったからしおりも何も見てなかったけど…


なんか楽しみになってきた!



「そういう事なら、ぜひ」

「やったー!!」


菜緒ちゃんが嬉しそうに飛び跳ねた。


そんな菜緒ちゃんを見てつい笑ってしまった。